ハードウェアの開発現況

中村隆生(満開製作所 企画グループ)


 ここでは、現在開発中のハードウェア製品について、概要と進捗状況をご紹介

します。基本的にはhttp://www.mankai.co.jp/nakamura/nak.htmと同内容です。

順序は、量産に近いものほど上になっています。

 今回は mach2p の発送で忙しく、内容を充実させることができませんでした。

毎月更新していきますので、興味のある方はぜひ毎月目を通していただけると嬉

しいです。


■mach2p(MK-HA2P) 設計:中村 ●製品概要  SCSI-2 +メモリの複合ボードで、SCSI 部は旧 Mach-2 の設計を、メモリ部は XSIMM10ss の設計を踏襲しつつ、細々とした改良を加えています。 ●進捗状況  やっと第1次ロットが(ほぼ)出荷し終わりました。いま一息ついているとこ ろです。  第2次ロットは発注が一通り済んでいますが、年内納入はかなり厳しいようで す。現在、2000年1月末納入・発送の線で頑張っているところです。 ◎量産版の基板写真
■キットシリーズ 設計:中村 ●製品概要  現在、光DAI出力化キット MK-CC003 や ATX 電源接続キット MK-CC011 などを ラインナップに揃えているキットシリーズですが、新製品の企画が2グループあ り、製品化に近い方をシリーズ2、そうでない方をシリーズ3とカテゴリ分けし ています。ラインナップの詳細は次号でご紹介します。 ●進捗状況  シリーズ2の設計が途中まで進んでいます。が、なかなか終わりません。年内 に試作発注、年明けに量産という線で進んでいます。シリーズ3についてはまっ たく未定の状態です。
■倍速スキャンコンバータ(MV-SC1) 設計:山内氏 ●製品概要  15kHz の映像信号を 31kHz の倍速に、また 63kHz の4倍速に変換する装置で す。NTSC 信号(ビデオや LD の映像信号)や、X680x0 の 15kHz 信号を、市販 のマルチスキャンモニタで見ることができます。 ●進捗状況  基本的に山内氏の方で回路設計・基板設計は完了しており、量産先行試作を発 注済みです。が、基板と筐体の試作がまだ上がってきていません。なんとか年内 には試作を片付けて、来年の早い段階には量産に移行したいところです。 ◎基板写真 ◎上から見た図
■PCカードドライブ(MK-PC1) 回路設計:大中氏 基板設計:中村 ●製品概要  X680x0 で PCMCIA 2.1/JEIDA 4.2 規格準拠の PC カードを読み書きするため のカードドライブです。拡張スロットに挿すタイプの制御基板と、別筐体のカー ドドライブ部から成ります。 ●進捗状況  大中氏から回路図が上がってきました。CADが違うので入力し直し中です。年 内には検図・試作基板発注としたい考えです。
■拡張スロットユニット 回路設計:桑野氏 基板設計:中村 ●製品概要  Xpander IV 相当の4スロット拡張ユニットです。TSR さんから出なかった、 X68030 版を優先したいと考えています。 ●進捗状況  桑野さんの方で設計が進行中です。
■DSPボード 設計:松岡氏 ●製品概要  mp3 のコーデックを X680x0 でも現実的な速度で行おうということで開発中し ている DSP ボードですが、mp3 だけでなく他の用途にも使えるように、開発キ ットも添付する計画です。  DSP としては、モトローラの DSP56362 を採用、これを 100MHz 駆動して 100 MIPS を実現します。DAC・ADC にはバーブラウンの PCM1800E・PCM1716E を使用 し、96kHz オーディオにも対応します(ただし ADC は 48kHz サンプリングま で)。また光入出力端子を備えます。 ●進捗状況  設計中です。2000年4月発売の線で進行中です。
■Venus-X/030, Venus-X/060 回路設計:井倉氏 基板設計:中村 (旧ハイメモリ計画) ●製品概要  最初はハイメモリの企画でしたが、まさちく工房の Venus 計画と統合するこ とになり、060turbo の設計も引き継いで、060 版と 030 版の2通りを開発する ことになりました。L2 キャッシュ、SDRAM ハイメモリ、PCI バススロットを備 えるます。 ●進捗状況  L2キャッシュまわりの回路図が上がってきました。現在、入力と検図が並行し て進行中です。
■Jupiter-X 原設計:森野氏 回路設計:井倉氏 基板設計:中村 ●製品概要  森野氏によってβ版まで開発されていた Jupiter-X は、森野氏の長期海外出 張により、満開製作所が引き継ぐこととなりました。そこで、回路設計を抜本的 に見直して再開発を行うことになりました。 ●進捗状況  デバッグは凍結することとなりました。現在、回路設計中です。 ◎デバッグ中の基板写真
■九九式試製一型 回路設計:桑野氏 基板設計:中村 ●製品概要  弊社では独自のアーキテクチャを持つパーソナルコンピュータと、その上で稼 働する OS を製作する計画を有しており、「零式計画」と呼称し推進中です。  その試作機として、「九九式試製一型」を製作します。基本は、Qバス・SSバ ス・PCIバスをサポートするバックプレーンボードと、MPUを搭載したMPUボード からなります。なお、試製一型は開発者向け配布のために製作するものであり、 市販の予定はありません。 ●進捗状況  桑野さんからMPUボード・バックプレーンボードの回路設計が上がり、中村の 方でアートワークが一旦終了しました。それらを桑野さんにチェックしていただ いたところ、SSバスコネクタとPCIバスコネクタが反転しているという豪快なバ グが見つかりました。すぐに基板を作らなくてよかった。余計に時間がかかると ころでした。現在修正中で、これが発売される頃には試作基板の発注を終わらせ ている予定です。 ◎九九式試製一型 MPUボードの基板CAD画面
 ご不明な点は読者葉書にお書きになるか、mailto:nakamura@mankai.co.jpまで メール下さい。次号の本欄に反映させます。 (EOF)